なぜ日本人は「観光スポット巡り」をやめたのか?― 宿泊者の8割が求める『あか抜けた何もしない時間』
String社の2026年7月調査により、宿泊運営者の9割超が「休息・リラックス目的の客が増えた」と回答。旅行者の84.6%も「何もしない時間」に魅力を感じ、観光地を周遊する旅からホカンス等の「滞在型観光」へシフトしていることが判明した。物価高やゆとり指数の低下背景から、旅に求めるのは観光地巡りではなく、客室の眺望(63.0%)や寝具の質(61.5%)による心身のリセット。宿自体が旅の目的地となる時代が本格到来した。
~「Merkmal」より引用
みなさま ごきげんよう!福山ですᝰ✍︎
週の後半ですが、代打で登場しました。
週頭のPHM夏期訪問では、とてもとてもいいお天気に恵まれたものの日差しがつよくて自然のパワーに体力をもっていかれました…。みなさま熱中症には十分気を付けてください。
今回の記事は、うろうろネットをさまよっていたら目に入った「観光スポット巡り」という文字が気になったので選びました。「観光スポット」を軸にした旅程…そういえば組まないなあと。施設を軸にどこにいけるかを考えている自分を発見しました。
●オペレーターがこの記事から得られるヒント
- 「客室の滞在環境(ハード・ソフト)」を徹底的にアピールする
ゲストが重視するのは、観光地のアクセスよりも「窓からの景色(63%)」「寝具の質(61.5%)」「部屋の広さ(57.6%)」。公式SNSやプラン説明文で「名所への近さ」をアピールするのをやめ、「マットレスのこだわり」「部屋での静かな過ごし方」「ルームウェアの着心地」を前面に出そう! - 館内だけで完結する「おももり(篭もり)体験」をつくる
ゲストはあえて外の飲食店へ出かけず、館内で完結させたい傾向が強まっている。ラウンジでの無料ドリンク、部屋で楽しめる本格的なテイクアウト・インルームダイニング、こだわりの大浴場やスパなど、「一歩も外に出なくても最高の1日になる工夫」をチームで考えよう。 - 「地域の魅力」を館内に巻き込んで単価を守る
「外に出ない=地域にお金が落とされない」という課題に対し、地域の美味しい食材や特産品、工芸品を「館内の食事やアメニティ」として取り込む。これによって、ゲストは部屋にいながらその土地の文化を楽しめ、宿も高単価(高付加価値)を正当化できる一石二鳥の仕組みができる。
Geminiサポート
・なぜ大人世代は「観光スポット巡り」をやめたのか?
- ゆとり感の低下と物価高(レジャー白書2026)
あちこち移動して入場料や交通費を払う「周遊」は、金銭的にも体力重労働。限られた予算と時間なら、「1箇所の良いホテルにこもる(ステイケーション/ホカンス)」方がコスパ・タイパが高い! - オーバーツーリズム(激混み)回避
有名観光地はどこに行っても人だかり。人混みで疲れるくらいなら、「誰もいない客室からの絶景」や「隠れ家的な穴場(サードプレイス)」で静かに過ごしたい心理。 - 「映え」から「没入・回復」へのシフト
SNSに載せるための「観光地ポーズ写真(映え)」のブームが一巡し、自分の心身を整える「マインドフルネス・デジタルデトックス」へ価値観が成熟したんだ。
・宿の役割は「拠点」から「デスティネーション(目的地)」へ
記事に登場した「メズム東京」「HOTEL THE MITSUI KYOTO」「ザ・リッツ・カールトン日光」などがウケている理由は、まさに「そこに行けば、観光地に出かけなくてもその土地の一番良い部分をすべて体験できるから」。
- 昔の宿泊軸: 観光地が主役 + ホテルは寝るだけの「脇役」
- 今の宿泊軸: ホテルが主役 + 観光地は気が向いたら覗く程度の「オプション」
・現場オペレーターはどう動くべき?
「うちのホテル、周りに有名な観光地がないんです…」と嘆く必要はなく、大切なのは「このお部屋で、どうやって最高の何もしない時間を過ごしてもらうか」という提案力。
ふかふかのベッド、美味しいお茶、心地よい音楽、窓からの静かな景色。私たちが毎日整えているその客室空間こそが、今、お客様が最もお金を払いたい「最高の旅行目的地」となりうることを理解する。
「名所を分刻みで巡り、写真を撮って次へ向かう」という従来のバタバタした周遊型観光は、現代人にとって「仕事と同じくらい疲れるもの」になってしまったのだなと、あらためて。
日常生活で時間もお金も心も擦り減っている大人世代(30〜50代)が求めているのは、観光地の看板ではなく「安らげる場所と美しい景色、そして誰にも邪魔されない時間(レジュベネーション)」。
「観光地へ行くための仮宿」ではなく「その部屋にこもるために泊まる目的地」として、自分たちの環境(寝具や景色、アメニティ)を誇りを持って磨き上げていくことが、これからのホテルオペレーターの最大の勝ち筋だと考えます。
いつもと違う場所で仕事をするのは、ちょっとだけ気持ちがすっきりします。まだ見ぬ土地へこれからも足を運んでいきたいなと、ひさしぶりにおもいました+*