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ヒルトン最上級「LXR」が日本を席巻。― 2027年目黒、2028年強羅。歴史遺産と究極のパーソナライズが融合する

ヒルトンは2026年4月27日、東京・目黒の「ホテル雅叙園東京」をリブランドし、2027年に「雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ」を開業すると発表した。さらに2028年には箱根強羅、その後ニセコや広島への進出も予定。国内初進出のROKU KYOTOがForbes5つ星を獲得した勢いを受け、日本各地の独自の歴史や文化を反映した「唯一無二のラグジュアリー体験」を展開。世界中の富裕層をターゲットにした、ヒルトンの日本戦略が加速する。

~「PRTIMES」より引用


みなさま ごきげんよう!福山ですᝰ✍︎

4月25日(土)から、宿屋塾の看板である「プロフェッショナルマネジャー養成講座」の第15期 が開講しました。第15期は過去最高の32名の熱く志高いホテリエが集結。とても活気あるセッションが目の前で繰り広げられ、宿泊業界の未来はとっても明るい!とかんじました。

今回の記事は、PHMのオリエンテーション「フィッシュボウル」で「日本のホテルが世界に存在感を示すには」というテーマに対して、講師 田中氏がいっていた「Forbesとミシュランキーの獲得」につながるお話しだったのでピックアップしました。


●オペレーターがこの記事から得られるヒント

  1. 「コレクションブランド」の強みを知る
    LXRは、マニュアル通りのチェーン店ではなく、その土地の個性を尊重する「コレクションブランド」。だからこそ、雅叙園の「百段階段」のような唯一無二の資産が活きる。自分の宿にしかない「独自のストーリー」が、世界基準のブランドと組める時代になった。
  2. ターゲットの「冒険心」を刺激する
    LXRのコンセプトは「タイムレスな冒険心を刺激する」。富裕層はただ豪華なだけでなく「ここでしかできない体験」を求めている。オペレーターとして、地域のディープな文化をどうゲストの体験(Pursuit of Adventure)に組み込むか、その編集力が試されている。
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・なぜ「高い価格」で売る必要があるのか?
① 圧倒的な投資回収と維持費
雅叙園のような歴史的建造物(百段階段など)の維持には、莫大なお金がかかる。これを守り続けるためには、一般客の薄利多売ではなく、富裕層から「保存費用も含めた高い対価」をもらう必要がある。今回のリブランドにも「大規模な投資」を行うと明記されている。
② 「LXR」という最強の武器(メリット)
ヒルトンには2億4,000万人以上の「ヒルトン・オナーズ」会員がいる。この巨大な富裕層名簿が、最初から「LXRなら間違いない」と予約を入れてくれる。
メリット: 広告費をかけずに、最初から世界中のVIPを呼べる。
期待: ROKU KYOTOのForbes 5つ星実績が、「LXR=日本で最高の体験ができる」という信頼ブランドを確立している。
③ 観光立国としての戦略:質への転換
「安くていい日本」はもう限界。国も「消費額」を目標に掲げているように、「高く売って、その利益を従業員の給料や地域のインフラに回す」という循環を作らないと、日本の観光は潰れてしまう。だから、富裕層向けホテルを売っていくのは、業界全体を守るための「必然の戦略」。

🛰️ 日本のLXRラインナップ(2028年予測)
京都(ROKU):静寂・芸術・Forbes 5つ星
東京・目黒(雅叙園):伝統・歴史・圧倒的な美意識
箱根強羅:温泉・紅葉・プライベートリトリート
ニセコ:スノーリゾート・世界のアドベンチャー
広島:平和・文化・歴史の再定義


雅叙園のようなすでに強烈なアイデンティティを持つ場所がLXRを選んだのは、単なる「値上げ」のためではなく(投資回収の側面はもちろんありそうですが)、雅叙園の「日本の美」を世界に通用する「価値」として正しく翻訳し、1泊数十万円という価格に見合うサービス・ネットワークを世界中に持っているのがヒルトンだったからだと考えます。地域や文化のハードが「日本の誇り」としてあり、ソフトはいままで培ってきた「安心・安全」に「世界のスタンダード」を加える。この融合こそが、いまの日本が富裕層ビジネスで勝つための筋道なのかもとおもいました。

日本の観光・宿泊産業は世界から認められていることを、いかに形としてわかりやすく伝えていくかも必要なのだとかんじました+*

執筆者
福山 千尋 (ふくやま ちひろ)

コーディネーター