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エンタメの巨人が仕掛ける「感動の連泊」― アミューズが西湖と豊島で「地域の日常」をプロデュース

大手芸能プロダクションの「アミューズ」が、2026年春、山梨県西湖と香川県豊島に宿泊施設をオープンする。西湖では本社オフィスを一般開放する「A VILLAGE」、豊島では『集落の暮らし』をコンセプトにした「ホテル聚(シュウ)」を展開。単なる宿泊場所の提供ではなく、アーティスト育成で培った「感動体験」のノウハウを活かし、地域の自然や文化をプロデュースすることで、地域の資産価値向上と持続的な活性化を目指す。※「A VILLAGE」3月15日予約開始/「ホテル聚」 4月上旬予約開始

~「PRTIMES」より引用
 アミューズ 公式ホームページ「トピック


みなさま こんにちは!福山ですᝰ✍︎

国や地域、学校や企業などの団体を背負い「戦う」世界にいた人を、個人的に勝手ながら尊敬しています。私はそういう世界を知らないので、どういう気持ちがあふれるのか…どのように心が動くのか…とても興味があります。日本を背負い戦う侍たちに、エールと念力と拍手を送った日よう日でした。

今回の記事は、ホテル経営研究会にも参加くださっているアミューズ社から待望の発信だったのでピックアップしました!塾長近藤も先取りであした(3月17日(火))から訪問するようなので、レポートたのしみにしたいとおもいます。


●オペレーターがこの記事から得られるヒント

  1. 「滞在の目的」を宿の外に置く
    西湖の「HOBIE(水上自転車)」や豊島の「アート巡り」など、アクティビティや地域資源と宿泊をセットにする。宿はあくまで「体験を咀嚼するための拠点」と割り切ることで、独自のポジショニングができる。
  2. スタッフが「地域の翻訳者」になる
    「聚」のコンセプトにあるように、近隣住民との交流や路地の散策を勧めるには、スタッフ自身が地域に溶け込んでいる必要がある。マニュアルにはない「地域の小話」こそが、ゲストの感動を生む。
  3. 「本社機能×宿泊」という逆転の発想
    自社の拠点をオープンにすることでブランドの透明性を高め、ファン(ゲスト)との新しい接点を作る。自分の宿のバックヤードや普段見せない「裏側」にこそ、実は魅力が隠れている。

●気になったことの整理

異業種大手による宿泊施設開業の過去事例
 目的:ブランドの世界観を体感してもらう
 海外:FENDI(フェンディ)やARMANI(アルマーニ)
 →一流ファッションブランドが、その美学を24時間体験してもらうためにホテルを運営している。
 国内:無印良品(MUJI HOTEL)
 →「アンチ・ゴージャス、アンチ・チープ」を掲げ、自社製品に囲まれた暮らしを提案。
 国内:任天堂(丸福樓)
 →旧本社社屋をホテル化。歴史資産を継承しつつ、ブランド体験を提供。
アミューズも「エンタメを通じたライフスタイル提案」の最終形として宿泊を選んだと言える。

「地域資産プロデュース」と「ブランド」の関係
 「地域商品ブランド」を磨くことで、結果として「地域ブランド」を爆上げする戦術
 地域資産プロデュース: 埋もれている古い建物や風景(資産)を、プロの演出で「価値ある商品」に変えること。
 効果: ゲストが「豊島の暮らしって素敵!」(地域商品ブランドの評価)と感じることで、「豊島=豊かな場所」(地域ブランドのイメージ)が強固になる。資産を生かすことは、まさに地域全体の株価を上げる行為。

地域住民を巻き込む「戦術」と「成功事例」
 ハードルが高いからこそ、「内側から」攻めるのが鉄則。
戦術1:雇用の創出と地産地消
地域の若者を雇用し、地元の食材を優先して使う。「自分たちの生活が潤う」という実利を最初に見せる。
戦術2:オープンな「場」を作る
宿泊客専用にせず、住民も使えるカフェやイベントスペースを設ける。「自分たちの場所が取られた」ではなく「新しい遊び場ができた」とおもってもらう。
成功事例:徳島県上勝町の「HOTEL WHY」
ゴミゼロ運動(ゼロ・ウェイスト)の拠点。住民と一緒にゴミの分別を体験する宿。共通の「目標」を持つことで、住民と宿がワンチームになった例。


アミューズが「宿泊」というピースを埋めたことで、西湖の静寂や豊島のアートな日常が、点ではなく「線」として繋がったとかんじました。「聚(シュウ)」という屋号に込められた“あつまる”という願いのとおり、そこにはきっとその地域で生きる方とその地域を愛するファンが集うとおもいます。
エンタメ企業だからこそできる、ドラマチックな演出や地域住民との心地よい距離感の設計は、私たち専門職のホテリエにとっても「新しいホスピタリティの形」を学ぶ大きなヒントがあるにちがいないです。
つまるところ、私たちはこういった「地域とともに継承する文化」を築いていくのが私たちが私たちで在りつづける未来への投資になるとかんがえます。

冒頭のはなしにもどりますが、個人的には勝敗よりか各々活躍したことがうれしく、晴れやかな気分のまま2026ペナントレースへ移行できるため、とってもたのしい大会だったとかんじています。
チームのために自分はいまなにができるのか、チームにどう貢献していくのかをまた1年学びながらかんがえていきます+*

執筆者
福山 千尋 (ふくやま ちひろ)

コーディネーター