Apple Walletが「旅の司令塔」へ進化。ホテル・観光体験の顧客接点を変える可能性
Appleは「Apple Wallet」を、単なるデジタルキーやチケット管理ツールから、旅行全体を管理するプラットフォームへ進化させようとしている。
今後、ホテルの客室キーを起点に、宿泊予約、スパ予約、メッセージ、利用明細確認、チェックアウトなど、滞在中に必要となる情報をWallet上で一元管理できるようになる予定である。
また、ディズニーでは入園パスや予約情報、イベント情報などを統合し、旅行者にとっての「旅のハブ」として活用する動きが進んでいる。
ホテル側にとっては利便性向上につながる一方、自社アプリやブランドとの顧客接点をどのように維持し、価値を提供していくかが新たな課題となる。
『:travelvoice 』より引用
Appleの強さは、単に新しい機能を開発することではなく、気付かないうちに人々の生活導線の中に入り込み、いつの間にか「なくてはならない存在」になる点にある。
今回のApple Walletの進化も、ホテルの鍵をデジタル化するという単純な話ではなく、「旅の中で必要な情報や体験をどこで管理するのか」という顧客接点そのものを変える可能性を持っている。
先日、出張中の新幹線車内にスマートフォンを置き忘れ、各方面に迷惑をかける経験をした。その際、改めてスマートフォンが単なる通信機器ではなく、決済、移動、仕事、生活情報など、日常のあらゆる場面を支える「生活インフラ」になっていることを実感した。
Appleはまさに、その生活インフラの中に自然に入り込み、利用者が意識する前に価値を提供することに長けている。
これまでホテルは自社アプリを通じて顧客との関係構築を目指してきたが、今後はAppleのような巨大プラットフォームと、どのように共存しながら自社ブランド価値を伝えるかが重要になる。
ホテル業界においても、サービスそのものだけでなく、「お客様の日常や旅の流れの中に、どれだけ自然に存在できるか」が競争力になる時代が近づいている。