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京都・宮川町に「星」が降り立つ ― カペラ京都 3月22日開業、伝統とモダンが結び合う「知の拠点」へ

2026年3月22日、世界最高峰のホテルブランド「カペラホテルズ&リゾーツ」が日本初となる「カペラ京都」を東山区・宮川町にグランドオープンした。元新道小学校跡地を活用し、建築家・隈研吾氏が設計。全89室の客室、ミシュラン三つ星「SingleThread」による日本初レストラン、天然温泉スパを備える。地域文化の継承を掲げ、隣接する歌舞練場との連携や独自の文化体験プログラム「カペラキュレーツ」を通じて、唯一無二の滞在体験を提供する。

~「PRTIMES」「Precious.jp」より引用
 カペラ京都 公式ホームページ


みなさま ごきげんよう!福山ですᝰ✍︎

東京の桜がほどよく咲きはじめ、街路に人だかりがちらほらできているのをみるとあたたかな気持ちになります。出会いと別れが交差するこの時期に、ちょっとした心の拠り所になる存在。日本人の思いでに桜は欠かせないとかんじました。

今回は久しぶりに開業のタイミングが近かったので、旬な情報をお届けしてみました。
「帝国ホテル」につづき、「コートヤード・バイ・マリオット京都」「ローズウッド京都」も開業予定…まだまだ「京都エリア」は波乱がつづきそうです。ただ、カペラ京都が「地域の記憶」を大切にしているように、新しくできるホテルはどこも「地域との共生」を必死に考えているはずです。
「京都」という日本が誇る地域ブランドで働くみなさまは、自信をもってよりエネルギッシュに「ここにある価値」を伝えていってほしいです!


●オペレーターがこの記事から得られるヒント

  1. 「跡地・レガシー」を価値に変える
    元小学校の備品を再利用したバーのように、「古いもの=捨てるもの」ではなく「語り継ぐストーリー」として再定義する。自分たちの宿にある歴史も、見せ方次第で唯一無二の武器になる。
  2. “地域コミュニティ”を運営のど真ん中に置く
    開業式典に自治連合会や組合長を招き、しめ縄を結ぶ。この「地域の仲間入りをする」という丁寧なステップが、のちのちの運営トラブルを防ぎ、逆に地域一体となった強いおもてなしを生む。
  3. 「他業種トップブランド」との掛け合わせ
    ミシュラン三つ星レストラン、ザ・ギンザ(スキンケア)、隈研吾(建築)。自社だけで完結せず、各分野の本物と組むことで、ターゲット層へ「ここに行けば間違いない」という強烈な安心感と期待値を与える。

●気になったことばの整理

・カペラ/ 御者(ぎょしゃ)座/ アウリガ
 カペラ: ぎょしゃ座で最も明るい一等星。ラテン語で「小さな雌山羊」という意味。
 アウリガ(Auriga): ぎょしゃ座のこと。
 つながり: ブランド名が「カペラ(星)」で、スパの名前が「アウリガ(星座)」。つまり「一番輝く星のようなサービスを提供する」という一貫したコンセプト。
・宮川町(みやがわちょう)
 京都五花街(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)のひとつ。
 特徴: 芸舞妓の数が多く、伝統文化が非常に濃く残るエリア。ここにホテルを建てるには、地域住民との極めて深い信頼関係が必要。
・カペラキュレーツ(キュレーツ)
 「Curates」は「(専門知識を持って)収集・整理する」という意味。
 意味: ただの観光案内ではなく、ホテル専属の文化担当(キュレーター)が、その土地の本物の体験を厳選して宿泊客に提供するプログラムのこと。
・SoNoMa & ソノマ
 ソノマ(Sonoma): カリフォルニアの超有名ワイン産地。
 SoNoMa by SingleThread: レストラン名の由来。カリフォルニアの「Sonoma」と、日本の「想乃間(そのま)」を掛け合わせた造語。「二つの土地の恵みが融合する間」という意味が込められている。

・宿泊業の構造図:NTT×カペラ
 事業主(オーナー): NTT都市開発(土地と建物を所有)
 経営: NTT都市開発ホテルマネジメント(ビジネスとしての運営責任)
 運営(オペレーター): カペラホテルグループ(ブランド・サービスの提供)
 →日本のインフラ大手と世界のラグジュアリーブランドがタッグを組んだ、最強の布陣!


「街の記憶を受け継ぐ」という言葉どおり、小学校の照明を再利用したバーや、地域住民との結びつきを象徴するしめ縄の儀式など、細部まで京都への敬意が溢れているのがすてきだとおもいました。特に、世界一に輝いたこともある「カペラ」が、最初の地に京都の「宮川町」を選んだこと。そこにある本物の芸舞妓文化や歴史を、外資の洗練されたフィルターを通して世界に発信する力は、日本の観光にとって大きな財産になるはずです。ラグジュアリーとは「ただ豪華絢爛なことではなく、その土地の物語を深く知ること」であると、あらためて教わった気がします。

桜前線の報道があたりまえに流れるように、私たちの日常を届けることが過去と未来をつなぐ積み重ねになるはずです+*

執筆者
福山 千尋 (ふくやま ちひろ)

コーディネーター