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観光業界リーダー年頭所感から考える2026年の観光宿泊業

2026年の年頭にあたり、観光業界のリーダーからは「持続可能な観光の推進」「地方誘客の促進」「生産性向上」などを柱とする所感が示された。訪日外国人旅行者数の増加や観光消費額の拡大が語られる一方、「インバウンドの受入れと住民生活の質の確保との両立」「オーバーツーリズム対策」「観光DXや省力化投資による産業の強靱化」といった表現も多く見られた。

~「旅行新聞」「HOTERES Online」より引用


みなさま こんにちは

年始に降った雪を境に最高気温が下降気味で、冬本番(間近?)といったところでしょうか。
冬の感染症も流行ってきているようなので、体調管理しっかりしていきましょう…!

新年らしい記事をピックアップしようとおもい、今回は「環境業界リーダー年始のご挨拶」をまとめてみました。またChatGPTの力も借りて、「賃金と人材育成」に関する期待と疑問を整理したのでお時間ある方はご参考までに。


2026年の観光業界リーダー年頭所感を俯瞰すると、共通テーマは「成長する観光を、壊さずに続ける仕組みづくり」です。インバウンドは好調で、訪日客の分散や地方誘客、消費額拡大を進める一方、混雑・マナー問題などを背景に「受入れと住民生活の質の確保の両立」が強く意識されています。
国土交通省は次期計画で、オーバーツーリズム対策、国内交流・アウトバウンドの拡大、観光産業の強靱化(観光DX、業務効率化・省力化投資支援、多様ニーズ対応など)を柱に掲げ、財源面では国際観光旅客税の拡充にも触れています。
JNTOも持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客の推進と市場の多様化を継続する姿勢です。
近畿運輸局は万博後の需要維持に加え、生産性向上と人材確保、オーバーツーリズム対策を含む幅広い課題に取り組むとあります。
業界団体では、人手不足など社会課題の未解決を前提に、施設・ハードの力による観光DXやロボットフレンドリー環境整備を進める動き、資格・研修・ネットワークを通じた知識技能向上や人材育成の拡張が示されています。
賃金については商工会議所が、物価高に賃金が追いつかない現状を課題とし、成長の果実を賃金や投資へ循環させる必要性を強調している。

年頭所感を横断すると、2026年は「観光が伸びる」だけでなく、“伸びても壊れない仕組み”を作れという年です。賃金は単独テーマではなく、付加価値と生産性を上げて循環させる設計の話へ。人材不足は前提なので、DX・省力化投資と育成をセットで進める流れが強まります。


年頭所感を通して見えてきたのは、観光が「成長産業」であることは疑いようのない一方で、その成長を「誰が支えて 誰が背負っているのか」については十分に語られていませんでした。
私たちが日々直面している「人材不足や賃金の課題」は避けて通れないにもかかわらず、明確な打ち手は届けてもらえず…。観光が地域や社会にとって“よい存在”であり続けるためには、オペレーターが希望も薄く心身ともに疲弊したままでは成り立ちません。
前回の記事をふまえても、DX・省力化への投資は「人を減らすため」ではなく、「人が誇りを持って働き続けるため」に使われるべきものだとかんがえますが、それをすべての宿が十分に実行できる力を持っているかどうか…。だからこそ、オーナーやアセット側とオペレーター側が課題に対してしっかり話し合い、ともに未来を設計していく協力体制が引き続き必要になるとかんじました。


●2026年にホテルオペレーターがすべきこと

1) 人材不足への打ち手を“3層構造”で作る
①減らす(仕事を消す):ルールの統一、承認の段数削減、チェック表の統合(まず紙を1枚減らすところから)
②置き換える(省力化):予約〜チェックイン前後、清掃割当、問い合わせ対応など、DX/自動化の対象を棚卸し *政策側もここに追い風
③育てる(多能工化):技能・資格・教育設計を、社内等級と接続する

2) 賃金は「上げる/上げない」ではなく“原資の蛇口”を増やす
商工会議所の言い方を借りると「賃金と投資の好循環」
ホテルで言い換えるなら、蛇口はだいたいこの3つです。
①単価:プランの作り直し(“誰の何の課題を解決する宿か”)
②ミックス:OTA依存の見直し、直販比率、連泊・平準化
③生産性:人時売上、清掃の標準時間、稼働に応じたシフト設計
※「賃上げ」は“気持ち”では続かないので、数字で回る形を先に作るのがコツです。

3) 「住民生活との両立」に対する“ホテル側の回答”を用意する
国交・JNTOが繰り返すテーマです
ホテルとしては、次のどれかを言える状態にしておくと強いです。
①混雑をずらす提案(チェックイン分散、館内導線、周遊の時間設計)
②地域事業者への発注・雇用・研修の実績
③マナー・ルールを“揉めずに伝える”仕組み(多言語・事前合意・館内サイン)

4) 施設・ハードは“人材不足の敵”にも“味方”にもなる
「ハードの力で社会課題を解決」
改装や設備更新のときは、デザイン性だけでなく清掃しやすさ、見回りしやすさ、事故の起きにくさをKPIに入れる。


ChatGPTにいくつか改善アイディアをあげてもらいました。たしかにこれらをいまからはじめることができれば、よい循環はつくれ豊かになりうるとかんがえます。
地域連携の価値が上がり、ホテルが“地域のOS”になれる」とChatGPTは表現してくれましたが、「地域のOS」はどなたかもいっていたワードで、私もホテルや旅館はそうであるべきだとおもっています。
観光の成長を本物にする鍵は、「ここで働いてよかった」とおもえる未来をきちんと描けているかどうかです。即効・特効薬もなく短期的な話しで語れないのが業界の特徴でもありますが、付加価値はいくらでも創りだせるおもしろくたのしい世界なので、頑張りと成長が還元される設計をみなさまにはたくさん語っていってほしいとおもいます+*

執筆者
福山 千尋 (ふくやま ちひろ)

コーディネーター